永遠
まったりと更新していきます。  主にアニメ、漫画、ゲームになるかと思われます。
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また明日
秋風が

顔を心地よくかすめて

教室を通り抜けた

明日はいよいよ楽しみにしていた文化祭

生徒はみな最終の準備に追われていた

「その箱全部こっちに運んでくれる?」

「え?どれだよ」

「これかー?」

みな各自の仕事を懸命にこなしていた

うちのクラスでは喫茶店をやることになっていて

店の飾りつけの最中だった

由香は高校最後の文化祭を楽しいものにできるよう

友達とみんなでワイワイ飾りつけをしていた

教室の真ん中で一人机に向かって座っている

圭介が目に入った

パンフを見ているようだった

「圭介ーみんなの手伝いしなさいよ!」

「今ちょっと考え事が…」

「それどころじゃないでしょ?もう明日文化祭なんだよ?」

「だから今考えてるんだよ」

「帰ってからでもいいでしょ!?」

「うるさいなぁ…由香こそ飾りつけやりなよ」

「自分だけ座って何言ってるのよ!」

「あぁもう!」

圭介は勢いよく立ち上がって教室から出て行った

「ちょっと待ちなさいよ!もう…」

明日のために頑張ってるのに…

「由香ー何してるのー?手伝ってー」

「ごめん柚木…」

「どうしたの?暗い顔して」

「ちょっと圭介と―――」

「え?圭介と喧嘩したの?」

「ちょっとね…」

「圭介がなんのためにクラスの実行委員になったか教えてあげようか?」

しっかりと目をみながら話しかけてきた

「『由香が1年2年と文化祭に出れなかった』って聞いてあいつは立候補したんだよ」

「え?」

確かに由香は1年も2年も風邪で文化祭に出ることができなかった

体が弱くて体育祭でも

当日に風邪をひいて出ることができない時もあった

「それを聞いてね…あいつは『俺が最高の文化祭にするんだ!』って」

胸がいっぱいになった

どうして実行委員に立候補したのか由香はわからなかった

圭介は中学2年の時に急に転校してしまった

親の都合だったらしいが

連絡先も

わかれの挨拶さえしないままどこかへ行ってしまった

もう会えないと思っていた

そして高校3年の春

転入という形で圭介が帰ってきた

圭介とは昔のようにしゃべることがなかった

昔のように接することもなかった

どこかで急に転校したことを許せなかったのかもしれない

何も言わずに去ってしまったのを許せなかったのかもしれない

そんな気持ちを

押しのけて胸がいっぱいになった

「私の…ため?」

「『俺が絶対に連れてくる!背負ってでも連れてくる!』とかわけわかんないこと言ってたよ」

と柚木が笑いながら付け足した

「私の…ために…」





「おう圭介!」

「なんだ弘樹か」

「なんだ って……」

圭介の苛立った顔を見て弘樹が言った

「なんだ?喧嘩でもしたのか?」

「バカのくせに変なとこがするどいな…」

「一言余計だと思うんですけど…」

弘樹は圭介が持ってるパンフレットを見て言った

「でもさーせっかくここまでしたんだから…明日までになんとかしなよ?」

「…そうだな…ちゃんと謝るわ」




キーンコーンカーンコーン

最終下校のチャイムが鳴り響いた

喫茶店の用意もすべて終わり

校庭も廊下も文化祭一色だった

「由香…帰ろうか」

廊下から不意に声がした

「圭介…うん」

ドキッとした

圭介とは中学校以来一緒に帰ってない

外は真っ暗だった

街灯の明かりが夜道を淡く照らしていた

ずっと無言のまま二人で歩いた

「あ…じゃぁ私こっちだから…」

「あぁ…」

「じゃぁね…」

「あの!由香!今日はごめん!」

「あ…」

「また明日な!」

言い返す間もなく圭介は走って夜の闇に溶け込んだ

「…うん」

由香は微笑み小さく頷いた




文化祭当日

素晴らしい秋晴れの空に

空砲が鳴り響いた

早朝からほとんどの生徒が登校して準備をしていた

「由香おはよう」

「圭介…おはよう」

軽く挨拶を交わして

開店までの準備を進めた

「これ仕事のタイムテーブルねー」

柚木がプリントをクラスの人に渡していた

「えー私昼からかぁー」

「俺がウェイトレスやるのか!?」

などとワイワイ声が聞こえた

「ねぇ柚木…」

「ん?どしたの由香?」

「私だけ…仕事内容が特別って書いてあるけど?」

「あぁーあんたの仕事は―――」



「校門で9時まで立つって…9時から開店じゃん…」

柚木に言われたとおりに校門に立って独り言をもらした

「由香!」

遠くから声が聞こえた

胸の鼓動が早くなった

「けい・・・すけ?」

謝らないと…

「圭介…昨日はごめんね…」

「あー…うん…それより今日は楽しまないと」

満面の笑みでそう言った

「そうだね…!」




9時

学校の門が開かれ

文化祭が始まった

「さて…由香 学園祭まわろうか」

「え?でもクラスが…」

「由香の仕事はもう終わっただろ?」

「あ…」

それから二人でいろんなとこを回った

文化祭が終わる4時まで精一杯楽しんだ

食べて 話して 笑って

二人が一緒にいられなかった時間を

埋めるように



文化祭が終わり

片付けは明日になっていた

夕方の校庭を

ふたつの影が揺れていた

「あーあ…」

「ゲームセットだねー柚木」

「あんたもねー弘樹」

「俺は圭介には勝てないよ…」

「アハハーそうだねー」

「柚木さん…涙は似合いませんぜ?」

「いいじゃない…今日だけだから…」




昨日と同じ道を

今日はたくさん話ながら帰った

「由香…楽しかったか?」

「うん!とっても」

「そうか…よかった!」

昨日と同じ分かれ道

「由香!じゃぁなーまた明日!」

昨日と違う笑顔の別れ

「うん!じゃぁねーまた明日――」
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コメント
▼この記事へのコメント<(あれば表示)
No title
ジハk-
これはもう立派な一つの物語ですねぇ

なんだか、くすぐったい感じがとってもいいよv-22



私にもこんな風に純粋な頃が


あったような・・・・・・
なかったような・・・・・・・^^;



でも、あえて言わしてもらいたい!!

由香c!
別れ際にススス.......((((( *^)(*゚▽゚*)ゞ チュッ♪



忘れてないかあああああああああああ?www
2009/02/18(水) 03:55:31 | URL | byゆめ (#-) [ 編集]
No title
aaa

こんばちわ!
2009/02/19(木) 20:58:12 | URL | byみく (#-) [ 編集]

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